糖尿病
糖尿病とは、インスリンというホルモンがうまく働かないために、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなってしまう病気です。血液中の糖が増えて高血糖の状態になると、全身の血管が傷つけられ、目がかすんだり、しびれが出たり、疲れやすくなったり、さまざまな症状がでてきます。糖尿病の初期は自覚症状がわかりにくいため、病状が進行してさまざまな合併症が起こってから、はじめて糖尿病と診断されることが多くあります。糖尿病は、一度発症すると完全に治るのは難しい病気です。しかし、病状を悪化させないために糖尿病を理解し、医師の指導のもと、ご自分の状態に合わせて食事療法、運動療法、薬物療法を根気強く行いましょう。
脂質異常症
脂質異常症とは、血液中のコレステロール値や中性脂肪の値が高い状態のことをいいます。悪玉コレステロール(LDL-C)が140mg/dl以上、善玉コレステロール(HDL-C)が40mg/dl未満、中性脂肪(トリグリセリド)が150mg/dl以上の3つの項目のうち、どれかを満たした場合に脂質異常症と診断されます。脂質異常症には、このようにさまざまな生活習慣が関わっていて、気がつかないうちに脂質異常症によって動脈硬化が進行してしまいます。動脈硬化を放置していると、高血圧、脳梗塞、心筋梗塞、腎不全などのさまざまな病気につながります。コレステロールが高いと健康診断などで指摘されたら早いうちに治療を開始しましょう。
高血圧症
高血圧症とは、血圧が140/90mmHg以上の血圧が高すぎる状態が続く病気です。血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の血管壁の内側を押す力です。高血圧症を放置していると、動脈硬化が生じて脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎臓病などの原因になったりします。高血圧はサイレントキラーとよばれ、自覚症状はほとんどありません。
高血圧の原因は主に、遺伝、食塩の過剰摂取、肥満、ストレスなどのさまざまな要因が組み合わさって起こります。生活習慣を見直すことで改善できることもあるので、普段から血圧を測る習慣をつけて、異常を感じたら早めに受診することをおすすめします。
肥満症
肥満症とは、体に脂肪がたまりすぎて太っているだけの肥満と違い、肥満状態かしるための体格指数BMIが25以上で、脂質異常症、高血圧など11種類の指定疾患を合併していることの双方に該当している場合に肥満症といいます。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)である場合も肥満症と診断されます。肥満症の治療は減量を目的とした食事療法、体重をコントリールするための運動療法を行います。それでも効果が望めないときは、薬物療法も行います。
高尿酸血症
高尿酸血症は、遺伝的素因に加え生活習慣が大きく関わる生活習慣病です。尿酸値(血液中にある尿酸の濃度)が7.0mg/dLで高尿酸血症と診断されます。尿酸はプリン体と呼ばれる物質から産生されます。プリン体は80~90%は体内で作られます。また、ビール・鶏卵・魚卵・肉・魚などに多く含まれているので、日頃からプリン体を多く含む食品をたくさん摂取している人は注意が必要です。高尿酸血症が続くと、血液に溶けきらなくなった尿酸が結晶となって、体内にたまっていき、それが手足の関節で起こり強い痛みを伴う痛風が発症します。さらに、尿酸が腎臓にたまって結石ができると背中に痛みが生じ、結石が尿管や膀胱に移行するとその部分で炎症を起こし激痛を生じる尿路結石も引き起こします。この他さまざまな生活習慣病の高血圧、心疾患、メタボリックシンドロームなどのリスクを高めるといわれています。そのため高尿酸血症は、いち早く、尿酸値を適正に保つことが大切です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。1時間に5回以上、10秒以上息が止まる状態を無呼吸といいます。気道の閉塞などが原因で、睡眠の質が下がることにより、起床時の頭痛、日中の眠気や倦怠感などの症状があらわれます。そのため、仕事に支障をきたしたり、交通事故などを引き起こす可能性もあります。また、高血圧や心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの合併症になりやすく、生活習慣病と大きく関係があるといわれています。ご家族など周りの人にいびきや無呼吸を指摘されたら、まずは受診して相談してみましょう。
健診異常のある方へ
健康診断は早期発見・早期治療への大切な第一歩です。健康診断で検査を受けたら、結果をしっかり把握し、必要に応じて適切な治療を受けましょう。そして、今後の健康や生活の質の向上につなげましょう。